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鋼の錬唎酒師

代表G「今日は日本酒の味の変遷についてじゃ」
唎酒師T「どうしたんですか急に」
G「蔵にいる者としては必須の知識じゃのう」
T「じゃのうって」
G「山口生まれなんだからいいんだよ」
T「もうやめちゃうんだ」
G今我々が飲んでいる日本酒は、昔の人が飲んだ日本酒と同じような味なんだろうかって考えたことない?」
T「ああ、例えば淡麗辛口が流行し始めたのはそんなに昔のことじゃないって聞いたことがあります」
G「おっさすがだね。日本酒の甘い/辛い、濃/淡を分類するこのグラフも見たことあるでしょ?」
T「はい、よく見ますね」
G「酸度は何となくわかるけど、日本酒度って何だっけ?」
T「私を試すつもりですか?日本酒度というのは日本酒に含まれる糖分の量を数値化したものですよね。
糖分は重く、アルコールは軽いから、日本酒度が高いというのは、つまりそのお酒が物質的に軽いという意味です。
糖分が多く残ったままの日本酒は重くなり、その日本酒の日本酒度はマイナスに傾きます。逆に、アルコール分が多くなった日本酒は軽くなり、その日本酒の日本酒度はプラスに傾きます。
本来の目的は、酒造りの工程の中で発酵度合いを見極めるために使用するものですが、飲み手が日本酒の甘さ辛さを知るための基準ともされているわけです」

G「元のグラフに戻ろう。軸が傾斜しているのが、人間の味覚は「酸味」があると辛口と感じやすいということを示している。これは舌の味蕾(みらい)の甘味に対する感受性を酸が抑制するからと言われているね」
T「そうですね。実際には人間の味覚はもっと複雑だと思いますが」
G「で、記録に残っているその時代の標準的な日本酒の日本酒度と酸度をプロットすると、大体こういう感じになる」(※)
T「傾向として、時代を経るごとに酸味が減っているということですね」
G「明治時代にはじめて分析されたお酒と今のお酒を比べると、『これが果たして同一の種類の酒といってよろしいかと疑うほどである。明治維新の頃に「これは甘口」といわれる酒でも、今の人がもしなめてみれば、口の曲がるほどの辛さを感じるであろう(坂口謹一郎)』らしいから、昔の日本酒と今の日本酒は相当違うと思っていいんじゃないかな」


ここで唎酒師T(本人)が登場
T「何書いてるんですか」
G「いやちょっと」
T「Tって私のこと?一人芝居じゃないですか。だいたい会話が説明的過ぎて、まとめサイトかよ
G「相変わらず口が悪いな。どこに行ってきたの?」
T「M商店さんに視察に行ってきて、ついでにきき酒会に参加してきました」
G「へえ。吉川の唎酒師のプライド見せてきた?」
T「当然じゃないですか。優勝しましたよ」
G「ほう」
T「めっちゃ緊張しました」
G「素晴らしい。ところでちょっとこれを飲んでみて

-試飲-

T『杉山流』のしぼりたてですね。少し硬い感じですがやはりいいですね。しぼったばかりなのでちょっとガス感がある」
G「しぼりたて特有の良さがあるね」
T「少し置いておけば味が開いていくのも楽しめますし、通常の杉山流と飲み比べるのも面白そうです」
G「杉山晋朔先生の言うところの、
『果実様の馥郁(ふくいく)たる芳香を有し爽快にして濃醇であり、五味が調和し云うに云われない「うまい」風味を持っている酒』だね」
T「爽快にして濃醇っていいですね。いいお酒を飲んでいる実感があります」
G「さっきの話に戻ると、時代ごとに酒が世相を反映しているということも出来る。
『太平の世には辛口、乱世には甘口の酒が流行る(食物史学者の篠田統)』らしいから」
T「アフターコロナを乱世と捉えると、これからは甘口の時代なんですかね」
G「多様性の時代だからどうだろうな」
T「その人の嗜好やときどきの気分で飲み分けるのがこれからのスタイルかも」
G「いいこと言うじゃないか。実は甘酸っぱくてアルコール度数の低い日本酒が大好きなんだ。杉山流の炭酸割りも意外に悪くないぞ」
T「T一郎先生に叱られますよ」
G「何なら米も入ってなくていいくらいだ。これからは水の炭酸割りが流行るはずだからな」
T「えっ」
G「えっ」

(※)清酒の味覚に関する研究(第3報)甘辛と濃さに関する重回帰式」佐藤信、川島宏、丸山良光(国税庁醸造試験所)ほか


GN


甘くて辛い。

Sufjan Stevens - Sugar