リモートライフ

新型コロナが急加速させた格好になりましたが、リモートワーク⦅英語圏ではWork from Home (WFH)が一般的に使われているようです⦆はもはや日常の風景になって来ました。緊急事態宣言が再発令されて今後も新規感染者数の予測が難しいようなこの状況下では、もはやこの流れが元に戻ることはなさそうです。

一時期よく「ワーク・ライフ・バランス」などと言われました。そこから派生した「ワーク・ライフ・インテグレーション」という言葉もありましたね。ワーク(仕事)とライフ(生活)を対立するものと考えずに、それぞれを人生の一部として、優先順位をつけず統合(integration)して捉えようという概念で、「働く」ということへの多様性や柔軟性が求められる時代になって来ていたところ、コロナが、、、ということではなかろうかと思います。個人的にはこれをさらに推し進めて、ワーク・ライフ・フュージョン(融合)くらいな塩梅で捉えたいと考えていますが。

前置きが長くなりましたが、今はこういう多様性を模索する時代、家にいる気分でオフィスに出て来る人がいたっていいのでは?というちょっとややこしい思考実験をしてみます。

日中は家で働き、夕方以降人の流れに逆行する空席多数の電車に乗って人口密度の極端に低いオフィスへ。これまで家でしていたようなこと(趣味のフルートの練習とか)をオフィスで楽しむ。つまりWork from Homeの逆でLife from Officeです。

長い目で見ると都市部のオフィス面積の縮小が進む可能性は高いですが、それまではこんなに広くて天井が高くて冬でも暖かくてそれでいて密にならない、快適な空間を満喫できるのです。

もちろん趣味だけでなく、Life from Officeではこれまで家庭に持ち帰っていた仕事をHomeのような感覚でやるということも可能でしょう(さらにややこしい話になります)。

そのときのお伴はもちろん日本酒。爽やかで香り高い純米大吟醸から、香り控えめながらしっかりとした味わいの普通酒まで、その日の気分や仕事内容によってほんの少量を口に含めば、猪口一杯分の背徳感が駆動する非日常意識も相まって、仕事の新しいアイデアも沸こうというものです(宣伝)

家飲みでなくオフィスで飲酒だって?とんでもない上司や同僚の目もあるし、という方が多いのはないでしょうか?
下記のような理論武装テンプレを作成しましたので是非ご活用下さい。

「何をおっしゃいます課長。サンフランシスコ・ベイエリアを中心とした多くのスタートアップ企業では、以前から社内でアルコールが無料で提供されていたんです。大企業とは違った自由な働き方を象徴して、従業員満足度を高めるための要素の1つとされているんですよね。
コワーキングスペースやシェアオフィスにもアルコールが置いてあるのは今や普通ですよ。WeWorkとか、あるじゃないですか。複数銘柄のビールサーバーが設置されているのを見たときは衝撃でしたね。他者との交流をアルコールが促進する等のメリットがデメリットを上回るというわけです。
いやそもそも酒など飲んだら仕事にならないだろうですって?オーストリアのグラーツ大学の研究チームは実験で、少量のアルコールが創造的な問題解決能力を向上させることを確認していますよ。ご存じありませんでした?(笑)」


「キミもうワークしなくていいから」と言われたら大変申し訳ありません。
特に今は燗酒が美味しい季節です。お燗して様々な温度帯で楽しめるのは日本酒好きの特権ですから積極的に楽しみたいものですね。

下記は日本酒のお燗の温度を示すもので、5℃刻みで名前がついています。

  • 30℃ 日向燗(ひなたかん) 温度の高さを感じないくらい。ほんのり香りが引き立つ。
  • 35℃ 人肌燗(ひとはだかん) 触ると温かく感じる。味にふくらみがある。米や麹の良い香り。
  • 40℃ ぬる燗(ぬるかん) 熱くはない程度。香りがよく出る。
  • 45℃ 上燗(じょうかん) 注いだときに湯気が出る程度。引き締まった香りを感じる。
  • 50℃ 熱燗(あつかん) 徳利から湯気が生じる。さわると熱い。キレの良い辛口で香りがシャープに。
  • 55℃ 飛びきり燗(とびきりかん) 徳利を持つと熱いくらい。より辛口になる。

先ほどの話の続きで、オフィスの発熱体であるPCやサーバーの上に小瓶を置いて「PC燗」などいかがでしょうか。

余談ですがPCの上に置いただけで「熱燗」や「飛びきり燗」になるようですとCPUの熱暴走が懸念されますから、会社のIT管理担当の方にただちに連絡して下さい。
冷却効果を高めたいのであればCPUグリスは熱伝導率の高いシルバーグリスかダイヤモンドグリスを選ぶのがコツです。ワーク/ライフの話から酒の宣伝へ、そして自作PCマニア的オチへと、読んでいて狐につままれたような気分になった方もいらっしゃると思います。私もです。



GN


「人に直接会う」ことの価値もどんどん高くなっていきます

Lord Huron - The Night We Met