タンクのフチ夫

神奈川県を含む1都3県に緊急事態宣言が再発令されました。
一度目はまだ緊張感があったものの、「あんなに衛生管理や感染予防を徹底したつもりなのに」と個人的には倦怠感にも似た、もやもやとした感情を抑えきれません。

このもやもや感がどこから来るのかと自問すると、そもそも敵=(コロナ)ウイルスのことをあまり(メディアに煽られる程度のことしか)知らないということにも起因していそうだ、ということで今更ながらウイルスに関する入門書を二冊買ってきました。

敢えてB.C.(ビフォア・コロナ)A.C.(アフター・コロナ)の時期に出版されたものを1冊ずつ。経験上あまりに専門的な書籍を選ぶと、人類の積み上げた叡智の大山脈の前に「自分はこの山を登らずに終わるのか」と無力感に苛まれてしまう可能性があるので、あくまで入門書を流し読みするのがコツです。

①「ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!ウイルスの本当を知ると感染予防もわかる! 武村政春著、2019年(B.C.)」

②「絶対にかかりたくない人のための ウイルス入門 ベン・マルティノガ著、2020年(A.C.)」


①についてはカバーが二重になっていることに読み終わってから気づきました。2019年の発刊当時の書名(つまり内側のカバー)は「ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス」。
…確かにこのままでは時節柄「空気を読め」と言われそうです。
外側のカバーは写真も新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真に置き換えられ、しかもサイズが合わず微妙にブカブカです。出版社さんの苦渋の表情が目に浮かぶようです。

それはともかく①は原題の方が読後感にも近く、著者のウイルスに対する「愛」が横溢しています。当然コロナウイルスについては一言も触れられていませんが、それだけに現在のコロナ禍を俯瞰的に見るには今読むのが最適な書だとすら感じました。


②はタイトルの印象よりもポップなつくりで、顔があって手足も生えているコロナウイルスくんが「愚かな人間どもよ、オレ様のすごさを見てあきらめろ!」などと喋ります。


あまりに小さいウイルスを読者がイメージできるようにするための、入門書ならではの工夫も見られます。新型コロナウイルスがノミの大きさだとするとヒトの大きさはエベレストの3倍ほどにもなるというのは、「見えない敵」を可視化する上で有効ですね。

この二冊を読んでウイルスのことがわかった気分になり多少気が晴れたところで、やはり自分にイメージできるものに置き換える操作というのは何事においても重要なことだと改めて感じました。私だけかもしれませんが。

蔵では1万リットルのタンクの清掃をしていました(当ブログでは文章のスムーズな流れは期待しないでください)。例えばこのタンクにワクチンを入れたらどのくらいの量になるんだろう?

ワクチン接種の1回分の量が0.5mlで、基本的には2回の接種が必要です。さらに集団免疫の閾値(集団が感染収束に向かうのに必要な免疫獲得者の割合)が人口の50~60%と言われていますので、日本の人口の半数に2回接種を行うとすると
125,000,000×0.5×0.5×2(ml)でほぼ6万リットル。

吉川醸造の空いているタンクの数で十分まかなえますが日本政府の皆さんいかがでしょうか。冷却機能なしのホーロータンクが多いためワクチンの保存ができないのが玉に瑕です。




本日のタイトルはもちろん「コップのフチ子」のパク、、オマージュです。現在商品化に向け意匠登録出願中です。冗談です。


特に飲食業界の皆様、頑張って参りましょう。


GN


「うちで踊ろう  9か月ぶり2回目」 どんどん動きが滑らかになっていますね

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